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上州明珍成重作兜

最終更新日:2014年07月25日

上州明珍 成重作 兜鉢

 上州明珍(みょうちん) は、室町時代後期に小田原より移ったと考えられています。
製作した兜(かぶと)は上州鉢(じょうしゅうばち)と呼ばれました。
 製作地として小幡(おばた:甘楽町)、八幡(やわた:高崎市)、白井(しらい:渋川市)があげられています。
 上州明珍の製作活動期間は、銘文(めいぶん)より永正年間(1504~1520)から
天正年間(1573~1591)の間の 約80数年間と考えられています。
 今回ご紹介します当兜鉢製作者の成重(なりしげ)は「小幡に住す」と系図等に
書かれています。

  

六十二間小星兜(ろくじゅうにけん こぼし かぶと) 

 六十二枚の細長い鉄板を重ね、細かい小星鋲(こぼし びょう)で留(と)めた兜を
六十二間小星兜といい、上州鉢とも呼ばれています。
 上州鉢の特徴は、引き締まった端正な姿で、鉄地は薄く、星も円錐状(えんすいじょう)の細く高い小星が特徴です。
 写真は兜鉢の正面です。

 

140725-1.JPG 

 

 

左側面

 この兜鉢には左右・後方にたれて、首すじをおおう部分の錣(しころ)がありません。後世の人が外したのでしょう。

 

140725-2.JPG   

 

 

 

  右側面

 

 

140725-3.JPG  

 

 

 

後面

 

140725-4.JPG 

 

 

上面

 何ともいえない良い形です。
 写真上が正面です。

 

140725-5.JPG  

 

内面

 兜鉢の正面鉢裏に「上州住成重作」と作者銘がほってあります。
 写真上が正面です。

 

  

 

140725-6.JPG

 

 この兜鉢は『群馬県立歴史博物館紀要』第16号 1995年刊の「上州甲冑師の基礎的
研究(一) ―成重について― 」に掲載されており、当時の甲冑師を研究する上で、
とても貴重な資料の一つといえます。

 甘楽町歴史民俗資料館で展示中です。  (個人蔵) 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

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