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平成28年度所信表明

最終更新日:2016年03月17日

所信表明

  平成28年度甘楽町一般会計予算につきまして、その大要を申し上げるとともに、予算編成に当たって、所信の一端を申し上げ、議会及び町民の皆さんのご理解とご協力を賜りたくお願い申し上げます。


◎はじめに
 
政府は人口減少対策としてアベノミクスの経済効果を全国的に浸透させるため、「まち・ひと・しごと創生総合戦略」を決定し、地方は政府の要請に基づいて雇用創出、人口減少対策、子育て支援などを基本目標とする地方版総合戦略を策定して、地方の市町村が直面している課題への実効性のある取り組みを実施しているところです。
 
また、第3次安倍内閣は「希望を生み出す強い経済」、「夢をつむぐ子育て支援」、「安心につながる社会保障」から成る「新3本の矢」による、「一億総活躍社会の実現」を目指し、「成長と分配の好循環」を生み出すとして緊急対策をまとめています。

 
本町にとっても、少子高齢化、人口減少対策等は最大の課題でありますので、企画課に総合戦略の担当部署を新設して「甘楽町まち・ひと・しごと創生総合戦略」を策定したところでございます。総合戦略策定後は、甘楽町第5次総合計画とともに実行して参りますので、ご協力のほどよろしくお願い申し上げます。

 日本経済を取り巻く環境は、1月の内閣府の経済報告では「景気は、このところ一部に弱さもみられるが、緩やかな回復基調が続いている」としています。しかし、景気回復のカギを握る個人消費が伸び悩んでおり、今年に入って原油価格の下落や中国をはじめとする新興国経済の減速、アメリカの金利の正常化の影響で円高・株安が進んでいます。既にリーマンショック以降ゼロ金利政策を取ってきた日本銀行は、市中銀行に融資・投資を促すために金融政策で初の「マイナス金利」を導入しました。世界経済が不安定さを増す中で、今後の景気動向は不透明と言わざるを得ない状況です。

 次に地方財政でありますが、平成28年度地方財政見通しによれば、地方の安定的な財政運営に必要となる地方の一般財源総額について、平成27年度地方財政計画の水準を下回らないように同水準を確保することを基本として地方財政対策を講じるとしています。

 
一般財源総額については地方税が増収となる中で、地方交付税総額が前年度とほぼ同程度の額が確保され、まち・ひと・しごと創生事業費についても各自治体が地方創生に取り組むために前年度同額を計上することとされています。地方税・地方譲与税がリーマンショック以前の水準に回復していることから、赤字地方債である臨時財政対策債の発行も大幅に抑制され、平時モードへの切替えを進め、地方財政の健全化を図るとしています。

 
次に、本町の平成28年度財政見通しについて申し上げます。
 
平成28年度は、甘楽町第5次総合計画「KANRAプラン・輝き」の前期基本計画の最終年度となります。これまで、住宅団地・工業団地の造成、企業誘致、町道・公園整備、林道開設・補修、中小企業融資支援、観光施設整備、公共下水道整備、子育て支援事業、情報化推進事業、防災対策事業等について、計画を進めてきたところですが、その中でも統合中学校と甘楽町給食センターの建設事業は甘楽町始まって以来の大型事業でありました。
 
建設にご協力いただいた皆様のお陰で、甘楽町の将来を担う子どもたちのためにすばらしい教育施設が出来上がりました。この新しい校舎、体育館、運動場の活用によって、子どもたちが「生きる力」を育み、教職員、生徒のみならず、町民の皆さんも一緒になって新しい歴史を築いていただきたいと考えております。
 
統合中学校建設により26年度、27年度は多額の国庫支出金、町債、繰入金が計上され、大型予算となっていましたが、平成28年度は平時モードとなります。

 
町税は、法人町民税が税率改正により減額となりますが、個人町民税、固定資産税の増額により町税全体では増額を見込んでいます。町税と並んで歳入の根幹である地方交付税については、国において前年度同額程度が確保される見込みですので、27年度の実績等により増額を見込んでいますが、国・県支出金、繰入金、町債は統合中学校建設事業の完了により大幅な減額となります。

 このような状況の中、平成28年度予算編成に当たりましては、従来の仕組みを踏襲することなく、人口減少などの社会構造の変化を踏まえた徹底的な歳出抑制が求められています。非常に厳しい財政状況を深く認識し、限られた財源を最大限に有効かつ効率的に執行するために、甘楽町第5次総合計画「KANRAプラン・輝き」に基づく施策、地方創生を推進する予算を編成いたしました。この結果、平成28年度一般会計当初予算の総額は、497,600万円で、前年度当初予算に比べ33.7%減の予算規模となりました。
 それでは、予算案の主な概要について申し上げます。


◎歳入

 町税は、税率改定により法人町民税は減額を見込みますが、個人町民税、固定資産税の増額が見込まれますので、町税全体では4,6572千円の増額を見込みます。
 地方消費税交付金は、27年度の実績見込みにより、前年比3,000万円、17.6%の増額を見込みました。
 普通交付税は、交付税総額が前年度同額程度確保されることや交付税対象となる町債の増額、地方創生、「一億総活躍社会」の実現に向けた取り組みについての交付税措置があること等を踏まえ、前年比3,000万円、2.0%の増額を見込みました。
 
国庫支出金は、統合中学校建設事業の完了により前年比55,315万円の減額を計上いたしました。
 
県支出金は、ぐんま緑の県民基金等の増額により前年比1,6491千円の増額を計上しております。
 
町債は、臨時財政対策債、防災対策事業債等を見込みましたが、学校教育施設等整備事業債の減額により、町債全体では前年比125,900万円の減額を見込みます。
 
また、基金からの繰入金については、地域福祉基金繰入金を1,500万円、長岡今朝吉福祉基金繰入金を850万円、文化会館改修事業等にふるさとづくり基金繰入金を3,800万円、財源を確保するため財政調整基金を5,9356千円見込みました。


◎歳出

○住民・福祉・医療対策
 本年1月よりマイナンバーカードの交付が始まりました。既に社会保障の申請等でマイナンバーの報告を受けている事業もありますが、今後、社会保障・税分野を中心とした活用が予定されております。マイナンバーの運用に当たっては、日本年金機構の情報漏えい問題を機に、個人情報の流出が懸念されていますので、情報セキュリティの強化対策に努めて参ります。
 税負担の公平性については、町民の皆さんの関心が高いため、口座振替者の増加対策や、滞納者の調査・訪問・相談等により収納率の向上、収入未済額の圧縮に取り組みます。
 
子育て支援事業におきましては、児童手当や出産祝金支給のほか、三世代同居世帯子育て奨励金を計上しました。子供は地域の宝であり、子供を育てるなら甘楽町の一環として、保育環境の一層の充実を図り、保護者がより働きやすい環境を作って参ります。第3子以降の児童については引き続き保育料を無料とし、放課後児童健全育成事業については、対象者を小学生低学年としていたものを高学年まで拡大して、子育て支援を充実させております。
 高齢者福祉では、生きがい対策としてシルバー人材センター運営事業により、高齢者に雇用の機会を提供し、順調な事業展開がなされております。また、老人クラブへの補助金交付、在宅福祉では、緊急通報装置貸与事業、住宅改造補修や介護者用車両購入費の補助、ねたきり老人短期保護等を実施し、施設福祉では養護老人ホームへの適正な入所措置を実施いたします。
 福祉医療では、引き続き中学校卒業までの入院・通院について子ども医療費の無料化を継続するほか、重度心身障害者、ひとり親家庭の医療費を計上いたしました。
 障害者福祉では、障害者総合支援法及び児童福祉法に基づく自立支援給付や地域生活支援事業等の取り組みにより、障害者福祉の円滑な推進を図って参ります。

○保健衛生対策
 
予防接種事業では、高齢者インフルエンザ予防接種委託をはじめ、肺炎球菌ワクチン接種、Hibワクチン接種、おたふく風邪・水痘接種委託などを行い、町民の健康を守ります。
 
保健事業では、町民が生涯を通じて心身ともに健康で、心豊かに生活していただくためにガンの早期発見を目指すとともに、健康意識の向上を図ります。保健・医療・福祉と社会教育との連携により、健康の保持・増進を基本とし、「健康かんら21(第2次)」計画に基づき、総合的な事業を引き続き推進して参ります。
 母子保健事業では、健康維持を目的とした妊婦健診や妊婦歯科健診の公費負担の充実を図るとともに、乳幼児の健やかな成長のため各成長期の健康診査を実施いたします。不妊治療費の助成等、今後も引き続いて、安心して出産できる環境を整え、健康な子どもの出生支援、育児支援に努めて参ります。
 健康づくり推進事業では、生活習慣病やガンを早期に発見するとともに、健康増進への意識向上を促すために、健康祭、さくらウォークなどの健康啓発事業を実施して参ります。

○環境保全対策
 ごみ処理については、町民の皆さんのごみ処理に対してのご理解・ご協力により、ごみの減量化を図ってきているところですが、本年はごみ処理手数料について引き下げを考えております。分別収集を更に推進してごみの減量化を進めて参ります。
 また、引き続き電動式生ごみ処理器などの設置補助制度による家庭ゴミの減量・リサイクルのより一層の推進を図るとともに、住宅用太陽光発電設備設置補助、新規事業としてスズメバチ駆除費補助についても実施して参ります。
 
また、水質保全対策として、引き続き合併処理浄化槽の設置を推進いたします。

○産業振興
 農業振興につきましては、甘楽町地産地消推進協議会(仮称)を設置して、農業における6次産業化の推進戦略を策定し、地域の特徴を生かした「食」と「農」による町の活性化、農産物のブランド化を図るとともに、観光振興対策と連携した農家レストランの基本調査を実施いたします。また、新規就農者に対して情報提供に努め、就農支援補助金を交付いたします。
 林業では、6路線の作業道整備事業を計上いたしました。また、「ぐんま緑の県民税」を活用した事業では、白倉地区、秋畑那須地区の荒廃山林整備作業を予定しております。
 商工振興事業では、産業文化祭に係る経費のほか、新規事業として、新たに創業・起業を希望する事業者等を対象とした創業支援事業の経費を計上しました。また、中小企業支援対策として小口融資資金の利子補給率の引上げを継続し、町内企業の経営基盤の安定化、経営拡大を推進して参ります。
 観光施設整備では、富岡製糸場の基礎石を切り出した連石山の遊歩道整備事業と、ちぃじがき蕎麦の里整備事業の実施を予定しております。
 観光イベント事業では、本年も「キラッとかんら観光キャンペーン」を実施して誘客に努めて参ります。3月から5月まで、甘楽町の一番輝く季節に、さくら祭り武者行列、さくらマラソン大会、さくらウォーク等のイベントを開催し、甘楽町の魅力を広く発信して行きたいと考えております。
 観光施設、イベントの充実を図って、より多くの皆様に甘楽町を訪れていただけるようにしたいと考えております。 

○消費生活対策
 
甘楽町消費生活センターの活用を図り、町民の相談に答えるとともに、消費トラブル対策等の啓発に努めて参ります。

○道路・公園等の社会資本整備
 町道につきましては、町道中郷河振1号線法面改修工事外2路線の道路改良工事、町道天神北金井1号線、町道西天神三ツ俣2号線道路新設工事に伴う事業費を計上いたしました。また、スマートインターの調査委託料を計上し、甘楽パーキングのスマートインター化を引き続き推進して参ります。
 
道路維持修繕事業では、道路修繕料、道路舗装補修工事を実施するほか、隔年で実施している行政区へ支給する原材料などの道路維持補修に係る予算を計上いたしました。
 橋梁維持補修事業では、橋梁点検業務を実施するほか、平成24年度に策定した橋梁長寿命化計画に基づき、橋梁補修事業を実施いたします。
 
農林道では、県営事業による広域基幹林道の整備、芳の元工区補修工事を実施して参ります。
 
治山事業では、県営事業による小幡欠下の治山事業を実施いたします。
 
土地改良事業では、上野、白倉、小幡地区の用水路改修工事を実施いたします。
 町営住宅管理では、老朽化した住宅の修繕や建物除去を実施し、住宅の適正な管理に努めて参ります。
 都市計画では、歴史まちづくり法に基づく歴史的風致維持向上計画に基づく事業を推進いたします。歴史的風致形成建造物である松浦氏屋敷の庭園整備工事のほか、織田氏七代の墓整備事業、御殿前通り整備事業、楽山園周辺整備事業費を計上いたしました。
 
また、伝統的建造物群指定に向けた経費では、歴史的まちなみ調査業務委託料を計上いたしました。

○防災・防犯対策
 消防施設等の整備としては、計画的な整備を実施しているところですが、28年度は耐震性貯水槽1基と地域防災活動の拠点となる秋畑地区消防団詰所の建設工事費を計上いたしました。また、災害対策として防災無線、防災メール配信システムの定期点検、保守委託料を計上いたしました。
 防犯対策事業としては、防犯灯のLED化を進めるため調査管理委託料を計上いたしました。

○教育関係
 学校教育では、教育施設の整備を図るとともに、町単独で情報教育補助教員や学校支援員、障がいを持つ子どもたちのために特別支援教育支援員を配置して、教育環境の充実に努めて参ります。心の教育相談員については中学校だけでなく、小学校にも新規に配置し、児童生徒の悩みについて相談を受け、問題の解決を図って参ります。
 
また、28年度も、学校教育に関する専門的な事項や学校運営について指導する指導主事を学校教育課に配置し、教職員の資質向上を図るとともに、子どもたちの学力向上、健全な育成に努めて参ります。
 
英語教育や国際化教育の推進については、引き続き幼・小・中学校にALT2名を派遣いたします。
 
小学校建物の維持管理につきましては、各小学校に小便器自動洗浄システムを設置するほか、福島小学校プールサイド修繕、新屋小学校体育小屋の修繕等の修繕経費を計上しております。
 生涯学習については、生きがいづくり・交流の輪づくりであり、町民の皆さんが自主的に生涯を通して学習できる環境整備を進めて参ります。多くの町民の方が参加できるように、要望に沿った魅力ある講座・教室を計画していきたいと考えております。
 文化財関連事業では、昨年「かかあ天下-ぐんまの絹物語-」が日本遺産に認定され、本町からも「旧小幡組製糸レンガ造り倉庫」、「甘楽町の養蚕・製糸・織物資料」、「甘楽社小幡組由来碑」の3件が構成文化財となりました。今後、養蚕体験、座繰り体験等ができるように、観光と連携して活用して行きたいと考えております。
 国指定名勝「楽山園」は開園5年目を迎えました。年間入園者を61,000人、うち有料入園者数を44,500人と想定し、維持管理につきましては、楽山園保存管理計画に沿って実施いたします。今年も様々なイベントにより集客に努めて参ります。
 文化会館事業では、今年度も、楽山園において能の名手織田信雄ゆかりの薪能を行うほか、コンサートや映画の上映を予定しております。また、空調設備、舞台吊物装置の改修に係る経費を計上いたしました。
 社会体育では、さくらマラソン・元旦駅伝の充実を図り、グラウンドゴルフ大会・町民体育大会などを実施し、スポーツを通じて健康づくりや地域の活性化、世代間交流を推進いたします。
 青少年育成では、放課後子ども教室として、小学校の空教室を利用して放課後に安全で健やかな居場所づくりや、学校、家庭、地域との連携による青少年の健全育成を推進いたします。

幹線交通対策
 
上信電鉄への補助金、デマンドタクシー補助金を計上しております。26年4月から本格運行を開始したデマンドタクシー「愛のりくん」は、町の公共交通として定着し、多くの皆様に利用していただき、好評を得ております。今後もより多くの町民に利用していただけるように努めて参ります。

○国際交流
 
チェルタルド市との相互交流事業を推進いたします。本年度は、第16次中学生研修団を派遣するとともに、第9次チェルタルド市青年使節団受入事業を計画しております。

○情報政策
 
行政事務の電算化や地域行政システムによる効率的な電子化を推進するとともに、ソフトウェア・ハードウェアの保守、更新により事務の効率化と住民サービスの向上を図っております。マイナンバー制度の導入に関しては引き続き関係システムの改修を実施するとともに、情報セキュリティ強化対策を実施して参ります。
 その他、ふるさとづくり寄附金の増額を図るため、ふるさと納税ポータルサイトに掲載するとともに、クレジット決済を可能とし、返礼品を拡充する経費を計上いたしました。

○地方創生事業
 策定した「甘楽町まち・ひと・しごと創生総合戦略」では、「小さな町でも光り輝き、町民が等しく安心して暮らせるまちづくり」を基本理念とし、「元気とにぎわいを生む地域戦略」、「住みたい、住み続けたい地域戦略」、「子育て支援の地域戦略」、「安全安心と個性あふれる地域戦略」の4つの目標を設定しております。
 
既に27年度から先行して事業を実施しているところですが、総合計画と平行してこの総合戦略を着実に実行していくことが人口減少対策に繋がるものと考えています。
 
28年度は、新たに創業支援事業、地域おこし協力隊事業及び空き家活用事業等の予算措置を行ったほか、27年度からの継続事業として、まちづくり定住応援金交付事業、新商品研究開発事業、観光キャンペーン事業等を計上しております。


 
以上が一般会計についての大要です。28年度当初予算は平時モードの予算ですが、財源確保のため財政調整基金を繰入れざるを得ない、厳しい財政状況です。実施事業の取捨選択や経常経費のより一層の圧縮を進め、必要な予算は確保しながら健全な財政運営に努めていく所存であります。

 
本町財政は、今後も予断を許さない状況に変わりはありませんが、若い人が住んでみたくなる町、住民が安心して暮らせる町、にぎわいと活力のある町の実現に向かって、誠心誠意、町政執行にあたって参りたいと考えておりますので、あらためまして、議員の皆様並びに町民の皆さまの深いご理解とご支援を賜りますようお願い申し上げ、平成28年度予算案提案にあたっての所信とさせていただきます。

 どうぞよろしくお願い申し上げます。

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