甘楽町小幡の大名庭園「楽山園」が昨年十一月、国の名勝に指定されたのを記念する「宝生流かんら薪能・狂言」が九日夜、同所の甘楽総合公園特設舞台で行われ、およそ八百人が幽玄の世界を堪能した。 この夜は、宝生流宗家の宝生英照さん、辰巳孝門さん、森常好さん、山本則重さんらが、能「巴(ともえ)」、狂言「昆布売(こぶうり)」などが二時間二十分にわたって演じた。 「巴」は木曽義仲の側室の女武者、巴を主人公とする修羅物。近江国粟津の原を通りかかった僧の前に巴の霊が現れ、義仲が戦死した時の様子を語る。「昆布売」は大名に無理やり太刀を持たされ、従者にされた昆布売りの男が、太刀を抜いて立場を逆転させ、大名に昆布を売るよう強要する。 また、第十六回城下町小幡さくら祭りも同日行われ、総勢二百人余の武者行列が甘楽二中から桜並木を経て同公園まで練り歩き、凱旋(がいせん)式を行った。
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