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小幡藩邸ジオラマのメンテナンス
最終更新日:2013年09月03日
小幡藩邸ジオラマのメンテナンス
小幡藩邸ジオラマは、名勝楽山園の拾九間長屋に置かれ、来園された見学者の
ほとんどの方々がご覧になり、「すごい模型だ」 「精巧に出来ている」との
感嘆の声があがっており、人気展示物の一つになっています。
今回は、見学者が携帯電話かデジカメを模型上に落とし、そのキズ直しと樹木等の
枝を触ったために変形した樹木の手直し、経年劣化による色落ち等の補修を
先月下旬に行ないました。
小幡藩邸ジオラマの展示場所
名勝楽山園の拾九間長屋内に展示されている状況です。
奥のスクリーンでは町の紹介を行っています。
模型展示直上の屋根
模型を展示してます直上のカヤ葺き屋根の状況です。カヤが模型内に落ちたり、
毎日清掃してもすぐにホコリが溜まってしまいます。また、蜘蛛や虫の死骸も
多いです。
メンテナンス前の状況
写真で見る限りメンテナンスの必要ないのでは? と思われる方もいらっしゃると
思いますが、実際に模型を見ますと触られたため樹木が変形していたり、細部に
ホコリが溜まっていたりしています。
細部は通常の清掃ではなかなか綺麗になりません。
細部のホコリ等の除去
雄川の岸辺の部分です。このような細部はペンの先に付けた筆で一つ一つ丁寧に
ホコリ等を除去します。
梅の茶屋のメンテナンス
梅の茶屋は屋根が取れますので、茶屋内部と屋根の清掃等を行ない、触られて
彩色が劣化した箇所に彩色したり、一番上の部分に緑を補足しました。
写真は、ペンの先から空気を出して清掃している状況です。
樹木調整前の状況
樹木は手で触られてしまうため、幹や枝が変形したり、マツは一単位の葉が
折られていました。
写真は、樹木全体に蜘蛛の糸が見られ、丹念に除去します。この後、幹や枝を
調整したり一単位のマツの葉を接着しました。
樹木の彩色
手で触られ彩色が落ちた箇所や経年劣化による箇所を色づけしています。
彩色は樹形等調整した後に行ないます。
池の清掃
池は特殊な樹脂で製作されていますので、空拭きや水拭きだけでは綺麗になり
ません。模型を製作する方々が使用している液体を浸み込ませ拭きますと、サッと
綺麗になります。
写真池の手前が拭いた状況です。違いがハッキリお分かりになることと思われます。
藩邸屋根の補修
沢山の方々が触ってしまいますので、彩色が落ちたりします。
写真は色が薄くなった箇所を彩色し、乾くとまた彩色し、もとの色に戻して
いきます。
本来はカヤ葺き屋根ですので、カヤ葺き仕様の屋根に魅力があります。
亀裂箇所の補修 1
見学者の方が模型上に携帯電話かデジカメを落とした跡です。5センチ程の亀裂が
生じてしまいました。写真中央の箇所が亀裂部分となります。
亀裂箇所の補修 2
亀裂箇所の地形を整えます。
亀裂箇所の補修 3
樹脂を入れて固めます。少し多めに入れ、樹脂が乾くと地形に合わせ調整します。
亀裂箇所の補修 4
樹脂が乾きましたので、彩色を施します。地形の凹凸を確かめるため、手で
彩色し、凹凸になっているか等地形を確認しながら彩色し、乾いたらまた彩色
します。
亀裂箇所の補修 5
まだ茶色が強いですが、さらに調整して仕上げます。
完成後の状況は、是非実物をご覧いただければ幸いです。
メンテナンスの終了
メンテナンスが終了しました。5時間ちょっとかかりました。写真では分かり
づらいですが、池面も綺麗になり、樹木も生き生きと表現されました。
是非一度ご覧になってください。お待ち申し上げます。
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