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群馬県指定史跡 旧小幡藩武家屋敷松浦氏屋敷 其の15
最終更新日:2017年01月28日
木舞掻き、荒壁塗り
木舞掻き (こまいかき)
この割られた竹材は屋根組みに使うものではなく、壁を塗るために使用され
ます。
割竹と割竹を組み、縄をまいて固定させます。これを「木舞掻き」と呼び、
この上に壁土を塗ります。
柱間等の寸法に合わせて長さを調節します。すべて現場で行ないます。
屋根組み開始とほぼ同じ頃から木舞掻きが始まりました。
写真は、玄関にあたる土間の南側外の木舞掻き状況です。 南より撮影
前の写真を反対(土間側)から見た木舞掻きの状況です。 北より撮影
木舞掻きの状況です。
土間内南側の木舞掻き終了状況です。 北より撮影
土間内南側全体の木舞掻き終了状況です。
思わず「ウワッ~」「スッゲェ~」と感嘆です。まるで芸術作品を見ている
ような感覚でした。
これはこれで一つの芸術作品と言っても過言ではないでしょう。
北より撮影
土間内北側の木舞掻き終了状況です。 南より撮影
荒壁(あらかべ)塗り
木舞掻きが終わり、壁塗り作業に移ります。
写真のこの壁土、見ただけで粘性と弾力がありそうです。
実際この土は大相撲の土俵と同じ土とのことです。
自社で土に稲わらを入れ、こねて壁土をつくります。
塗る直前にさらに稲わらを多量に入れ、水を加えよく踏んでこね合わせます。
職人いわく「昔は素足でこねたが、現在は長靴を履いてこねています。申し訳
ないと思っていますが・・・」。まさに職人と感じ入りました。
いよいよ荒壁塗りです。完成するまで5回塗ります。厚さは木舞の竹を中心に
片側4センチずつの8センチの厚さに塗って仕上げます。
写真は土間内北側です。 南東より撮影
壁土の受け渡し状況です。棒の先に長方形の板を取り付け、この板の上に
壁土を盛ってサッと出します。差し出された壁土を素早くコテと台で受け止め、
塗り台の上に置きます。呼吸が合わないともう一度となります。簡単そうで、
なかなか難しいです。
写真は土間内南側です。 北東より撮影
土間内北側の荒壁塗り終了状況です。 南より撮影
土間北側の外側の壁土状況です。木舞竹の間よりグニュ~と壁土が出ていま
す。この部分を押え付けるように平らにして、この上に壁土を塗ります。次の
写真でご理解いただけると思います。
東北より撮影
土間南側の外側の壁塗り状況です。内側を塗った壁土が木舞竹の間から外に
出ますので、押え付けるように平らにし、この上に壁土を塗ります。
南東より撮影
土間内南側の荒壁塗り状況です。塗り終わると良く乾かします。
乾かないうちに2回目の壁を塗ると、木舞の縄が腐ってしまうとのことです。
北より撮影
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